「オーストリアに移住したい。」
「将来はウィーンに住みたい!」
そんな風に望まれている方って結構多いようです。
わたしは、はじめ学生としてオーストリアにやってきて、その後就職&結婚したために自動的にオーストリアに「移住」することになったわけなのですが、学業や就職、結婚などの明確な目的がなくてもオーストリアに移住することは可能なのでしょうか?
オーストリアに移住することはどのくらい難しいのでしょうか?
今回は「オーストリアに移住」することについてお話ししたいと思います。
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目次
オーストリアは住みやすい国なのか
オーストリアに移住するということは、故郷である日本を離れてずっとオーストリアに住み続けるということです。
わざわざ住み慣れた土地を離れて新天地で生活をするのですから、その新天地の住み心地は良いものでなくてはなりませんよね。
オーストリアは移住するに値する、住みやすい国なのでしょうか?
世界各国、各都市の生活の質をランク付けしている機関はいろいろありますが、どのテストでも実はオーストリア上位にランク入りしています。
例えば、ボストン・コンサルティングによる「世界162か国の生活の質のランク付け」では、2017年、オーストリアはノルウェー、スイス、オランダに次いで4位に輝いています。
この「生活の質」というのは、経済、教育、医療システムから交通機関の充実度などまで多岐に渡った項目を含んだ物。
確かに、「財布を持たずに病院に行く」ときや、「週末に夜通し走っている地下鉄に乗る」とき、「働きすぎると怒られるし、有給は全て使うのが当たり前だと感じた」ときなど、実際住んでいて住み心地の良さというものを実感することは多いです。
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どういう人がオーストリアに住むのに向いているのか
オーストリアに移住したい、という方には日本の伝統や日本人の気質を少し窮屈に感じていらっしゃる方が多いような気がします。
確かに日本には
「女性は20代のうちに結婚して子どもを産むべき」
「サラリーマンは会社の飲み会は参加すべき。上司は部下に奢るべき」
「30代の女性がひざ丈より短いスカートなんてみっともない」
等、常識という名の「年齢や性別によって求められる人間のひな形」のようなものが存在している傾向がありますよね。
オーストリアはそれに対して、もっと個人を尊重しています。
「結婚せずに、子どもを生んで育ていたカップルが、60代になって「子どもも成人したし」と初めて結婚する」
とか
「40代の女性がキャミソール&ホットパンツ、サンダルスタイルで街に買い物に行く」
とか、オーストリアではごく普通のこと。
思ったことを発言することは当然のことですし、自分が自分らしくいられるように行動することはちっともおかしいと思われない国なんです。
そういう自由な雰囲気を居心地よく感じる方は、オーストリアに住むのに向いていると思います。
また、お酒が好きな人にもお勧めの国ですね!
オーストリアはワインがとても安いです。また、チーズやハムなどのおつまみも日本よりずっと安くて美味しいです。
そして芸術が好きな方にもお勧めです。
ほとんどタダのような値段で毎晩一流楽団のオペラやコンサートを聴ける国や街は、どこにでもあるわけではありません。
ただしオーストリアにはその自由さが仇になって、いろんなことが適当だったり、曖昧だったりするという欠点もあります。
同じ質問をしても、人によって返事が全く違ったり、約束や頼んだことを忘れられてしまったり、なんてことは日常茶飯事。
また「明日できることは明日やればいいよー」と人生をふんわり生きている人が多いので、疲れていても無理して頑張るような、スポ根を持ち合わせているような人は皆無です。
「決めたことは素早くきっちりやってほしい」「大変でも人には笑顔で気持ちよく対応してほしい」という考えを持っている人は、オーストリアにやってきて3日で打ちのめされてしまうことでしょう。
オーストリアに移住するにはどうしたらいいの?
上記を踏まえて尚、「大丈夫、自分はきっとオーストリアに住むのに向いているから是非移住したい」という人は、一体どうしたらオーストリアに住むことができるのでしょうか?
今回はその方法について考えていきましょう。
方法① オーストリアで学生になる
外国人がオーストリアに6か月以上住む場合には「滞在許可」(Aufenthaltstitel(アウフエントハルツティテル)というものが必要になります。
この滞在許可は、申請した人みんながもらえるものではなく、条件を満たした人しかもらえない仕組みになっているんです。
そのため「オーストリアが好きだから」といった理由では、まず滞在許可を得ることはできません。
滞在許可にはたくさんの種類があるのですが、一番取りやすいのはやはり「学生の滞在許可」でしょう。
この「学生の滞在許可」を取るためには、オーストリアの学校に通っている、または通う許可が出ているという証明書が必要です。
ただし、どこの学校でも良いというわけではありません。「学生の滞在許可」を出せる学校は、決まっているのです。
そのため、「学生の滞在許可」を得るためには、「学生の滞在許可」を出せるオーストリア学校に入学する必要があります。
とは言っても、ドイツ語があまりできなければ現地の学校に入るなんてほぼ不可能ですよね。。じゃあ、語学学校はどうでしょう。語学学校なら言葉ができなくても大丈夫、なのですが・・。
残念ながら現在オーストリアでは語学学校に通うだけでは、「学生の滞在許可」を取ることはできないようです。
恐らく現在最も日本人にとって入りやすいオーストリアの学校は、私立の音楽学校などではないかと思います。
もちろんいくら私立とはいえ、全くの素人だと入学することは不可能なので、ある程度楽器演奏や歌ができる人に限られますが、この方法ですとかなり確実に学生の滞在許可を取ることができると思います。
方法② オーストリア人と結婚する
独身の人にしかできない方法ですが、「結婚」することで滞在許可を手にいれることが可能です。
オーストリア人と結婚すると「家族の滞在許可」が発行されますので、これでオーストリアに滞在することが可能になります。
ちなみに結婚相手はオーストリア人でなくEU圏の人でも、その人がオーストリアに住んでくれれば、一緒にオーストリアに住むことも可能です。
オーストリアに移住をしたくて、現在恋人がいない人は、思い切ってオーストリアに短期で留学などをしてみてはいかがでしょうか?
現地で運命の人に出会って、「家族の滞在許可」を手にいれオーストリアに住むことになるかもしれませんよ。
方法③ オーストリアで就職する
オーストリアの会社などに勤めることになれば、働いている人のための滞在許可を得ることができます。
この滞在許可にはたくさんの種類があるので、その種類についてはまた機会を見て別記事で紹介したいと思います。
働いている人のための滞在許可は、学生の滞在許可ように限りある期間の滞在許可ではありませんし、経済的に自立してオーストリアで生きていることを証明する価値ある滞在許可証です。
しかし、その分取得は簡単ではありません。
オーストリアには「労働許可付きの滞在許可がないと就職させてくれない」という会社が多いのですが、実際は「就職してないと滞在許可が出ない」ため、堂々巡りになってしまうんですよね。。
ねらい目は、人手が足りていないので、どうしても労働力が欲しいという職種、現地人が持っていない技術を持っている人が欲しい職場です。
こうしてオーストリアの会社に入社することになった場合、会社で滞在許可を取得する手伝いをしてくれるはずです。
方法④ オーストリアで起業する
オーストリアには、起業する人向けの滞在許可も存在します。
ただし、会社の利益見込みが何千万以上あるという計画書を提出しなければならなったり、利益見込みの金額がちょっとでも低ければ現地の人を2人以上採用しなければならなかったりなど、オーストリアの経済に貢献するということをはっきり証明できなければならないので、取得はかなり困難というのが現状です。
方法⑤ 半年限定で気楽に住む
上記の①から④までの方法だと、学生になったり働いたりしなければならないなど、面倒くさい条件があってハードルが高いですよね。
若い人ならば良いかもしれませんが、定年後に何もせずのんびりオーストリアに住みたいのに、、と望んでいる人などは、まさか定年後に改めて学生になるなど考えられないことです。
そういった場合は、1年のうち滞在許可が不要な日数180日をオーストリアで過ごして、あとの180日は日本やその他シェンゲン圏外の国などで暮らすというのはどうでしょう?
同じ場所にずっと落ち着いて住み続けることができないという欠点はありますが、煩わしい滞在許可の申請、更新という作業をすることなく、合法的に1年のうち半年という長期間オーストリアに住むことができるのです。
オーストリアに家を借りることは、滞在許可を持っていなくても可能ですので、オーストリア内に気に入った家を一軒借りておいて、好きな季節にオーストリアを訪れて長期滞在する、というのはなかなか素敵なライフスタイルなのではないかと思います。
まとめ
いかがでしたか?
オーストリアに移住したいという夢があっても、実現させようと思うと制限が多くて大変なんですね。
オーストリアに移住したいという思いを持っている人でも、実際オーストリアで生きていくことになれば、それが本当に幸せかはわかりません。
まずは滞在許可のいらない範囲でオーストリアに数か月暮らしてみて、本当にその暮らしが自分に合うか確かめてから移住を決めても遅くありません。
オーストリアへ移住を考えている方は、ぜひ一度長期でオーストリアを訪れてみてくださいね。
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